はじめに

中国との貿易は紆余曲折を経ながらも、成功すべくして成功している。
成功例では、事業展開の理由に必然性があり、十分な調査と検討の後、時間をかけて信頼できるパートナー、あるいは現場を任せられる中国人幹部を獲得しています。

中国貿易の三要素
1、事業の目的をはっきりさせ、戦略をしっかり立てる。
2、事前調査を十分に行う。
3、パートナー選定を含め人の要素を重視する。


中国貿易の流れ

中国の貿易体制は日本とは異なり、企業・メーカー・個人が自由に貿易することができません。対外貿易経済合作部(日本の経済産業省にあたる)が対外貿易権を認可した貿易公司に現在のところ限られます。以前は品目・地域ごとに国営専業商社(・・・進出口公司、・・・対外貿易公司)が輸出入業務を独占していましたが、改革・開放政策の中で貿易体制も大きく変化を遂げてきました。基本的には国の管理を離れ、独立採算性により扱い品目・地域とも自由化が進んでいます。
貿易における中国の規制は日本と同様、輸出と輸入で異なっています。


輸 出

輸出規制には輸出許可証管理品目と輸出商品割当有償入札品目があります。

輸出許可証管理品目 (E/L:EXPORT LICENSE)
農業産品・工業産品など各分野において54品目が指定されています。
品目により許可証発給機関が異なり、品目変動もありますので、事前に確認することが必要です。

輸出商品割当有償入札品目
これは特定商品の輸出枠を有資格貿易公司間で入札により割り当てるもので、7品目があります。日本に関係する品目としては軽焼マグネシウム、タルクなどありますが、取引相手公司が当該品目について落札していることが必要です。もし落札していない場合でも、有償で割当を受けることが可能ですが、いずれの場合でも許可証品目と同様に、事前の確認が必要です。

輸 入

中国の輸入管理にはいくつかの形態があります。

輸入許可証品目(I/L:IMPORT LICENSE)
輸入許可証品目には一般商品と機電製品からなり、さらにそれぞれが輸入割当商品と非割当(特定)管理商品に分かれています。一般商品は石油製品、羊毛、自動車タイヤ、砂糖、綿花、科学肥料等13品目、機電製品は自動車・同部品、オートバイ・同エンジン・シャーシー、カラーテレビ・ブラウン管、ラジオ、冷蔵庫、洗濯機等15品目が割当品目です。これらはいずれも品目によって許可証の発給機関が異なります。

その他、以下のような輸入品に対する規制があります。
中古機電品輸入禁止
中古の機械、電気機器などの輸入は、合弁企業の投資構成部分として認定されたもの以外、禁止されています

化学品初回輸入登録制度安全認証制度

自動車、医療機器、家電製品等

廃棄物輸入規制

※持ち出し禁止品

中国貿易に関する法律

中国税関について

関税・検査

中国の関税率はWTO加盟交渉を背景として、毎年大幅な引き下げを行っており、最終的には発展途上国水準に持っていく予定です。97年10月にも引き下げがあり、平均関税率は23%から17%へと低下しましたが、一部商品についてはかなり高率な関税が掛けられており、また、各地税関によって適用が異なる場合もあり注意が必要です。
商品検査は輸出入商品検査法に基づいて国家出入境検験検疫局(SAIQ)が統一管理を行なっています。各地方の輸出入商品検験検疫局(CIQ)は管轄地域の検査業務管理と検査の実施を行なっています。商品検査を受けなければ輸入通関、販売・使用は許可されませんし、検査に合格しなければ輸出できません。

中国からの輸入の形態としては国際郵便輸入と一般貨物輸入の方法があります。1万円程度の商品を国際郵便で輸入する場合を除いては、輸入通関手続に必要な書類を揃え、税関に輸入申告をします。また、種々の法律による届出や許可・承認が必要となります。

20フィートコンテナで商品を輸入する場合(概算)
輸入通関料:11,800円
輸入取扱料:15,000円〜
CY CHARGE:30,000円
税関検査料:検査実施時は程度によって15,000円〜50,000円
関 税:商品分類に基づく関税率により支払
消費税:CIF価格の5%を支払
港から会社までの国内運送費は別途

商談機会

中国との商談機会は今日では極めて多様になり、他の国との商談と基本的に大きな違いはなくなってきています。一般的には次のような方法があります。

中国側対外貿易公司との直接交渉
中国で開催される各種交易会・商談会への参加
日本で開催される展示会、商談会、投資説明会などへの参加
在日の中国側機関事務所、日本法人への連絡
中国側訪日ミッションとの接触
各種訪中ミッションへの参加

最も手っ取り早いのは中国側対外貿易公司との直接交渉ですが、取扱商品の把握や公司内容の確認など、わかりにくい点があり、貿易を始める場合には困難なこともあります。その点、両国で開催される展示商談会・交易会は、現品を確認し、担当者と面談しながら商談を進めることができ、新規の取り引き開始にあたっては大変有効な機会です。

貿易実務

実際の契約にあたっては、条項の細部にいたるまで遺漏のないよう当事者間で詰めておく必要があります。特に、季節性商品を輸入する場合は、積み期遅れによる商期逸失のないよう十分に気をつけなければなりません。

次に、貿易取り引きに必要な価格条件、決済、輸送通関について簡単に紹介します。

価格条件

   FOB   輸出港渡し価格で海上運賃は含まれていません。
   CIF    保険付き到着港渡し価格で海上運賃、保険料込みの価格です
   C&F   保険抜き到着港渡し価格で海上運賃のみ含まれています。

決 済
   
   輸出入とも信用状(L/C)による決済が普通です。信用状決済は銀行の支払い保証となりますので、事前に取引銀行と十分に打ち合わせておく必要があります。サンプル輸入などの現金送金による決済も行われます。決済通貨はほとんどが米ドルですので、為替の動きには注意が必要ですし、場合によっては先物予約をしなければなりません。

契約時の注意点

一般的には中国側が用意した契約書フォームに条項を書き込む方式が多いのですが、内容を点検し、商談時の合意に基づき必要事項の追加・修正を行うことが無用な紛争を避けるためにも必要なことです。WTO加盟を控えて、法体系の整備が進む中、従来の友好協議による問題解決方法から、より成文化された形での制度的解決方法へ変わりつつあることに留意して契約交渉を行うことが大切です。

  以下、契約書の内容について主な注意点をあげます。

  • 契約締結日及び締結地(適用される法律の問題も絡む)
  •  当事者の名称及び住所(代理人の場合は明記)
  •  商品名(L/C開設に必要な英語名の確認)
  •  価格(FOB,CIF、C&Fなどの確認)
  •  規格、仕様、品質、数量(輸出入ともクレームに対応できるように)
  •  積み期(確実を期し、余裕を持って)
  •  積出し港、到着港(輸入の場合は苫小牧・石狩への直行便、韓国経由コンテナ便の利用を優先)
  •  決済条件(決済通貨、決済の方法、銀行名の確認等)
  •  梱包、荷姿(コンテナ、バラ積み、木枠、ダンボール箱等、輸出の場合は木枠の燻蒸が必要)
  •  保険(FOB、C&Fの場合は輸入者が手配)
  •  紛争、仲裁(仲裁については被申立人国の機関を選択。仲裁条項は紛争を裁判によらず仲裁によって解決することに同意するもので、この条項がないと仲裁機関は受付けない。他に裁判による解決を選択することもできる)
  • 原産地(他国産原材料の使用に注意。原産地証明書添付の必要の有無)
  •  衛生基準(食品の場合は、その他の規制にも注意)
  •  検疫証明(動植物検疫証明書が必要な場合)
  •  品質保証(基準を明確にして紛争を回避)
  •  検査(検査条件を明記)
  •  違約金、損害賠償金(限度額、限度率の明記)
  •  解約(契約解除の事由を確定、双方の経済的責任を明記)
  •  製造物責任(情報の通知、損害賠償の処理など)
  •  不可抗力(定義を明確に)