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中国の経済圏
地域経済や市場の発展状況や都市間の連携、交通事情などのインフラ状況に基づいた重要経済圏は、次の5地域に分けることができます。

環渤海経済圏
■外資進出誘致の重点地域
  1. 環渤海経済圏は中国政府から国有重工業企業改革のための近代化と外資誘致の重点地域として位置づけられている。
  2. とくに大連は日本企業、青島は韓国企業を通して製造業が発展しており、近年部品産業やIT産業にも力を入れている。
  3. 石油資源や金属資源が豊富で、原油生産量は全国の40%、鉄鉱石は全国の約25%。
  4. 人的資源の面では、労働者、技術者共に豊富で、人件費も安くなっている。
■インフラ状況
  1. この地域の各省・市は港湾建設、道路建設が盛んで、高速道路の整備状況では、山東省が全国一位、遼寧省は全国七位となっている。
  2. 大連〜煙台間の海峡縦断鉄道事業が完成(2005年予定)すれば、物流・貿易展開はますます便利になる。
  3. 港の数も全国で一番多い地域で、海上輸送の玄関口ともなっている。青島市は、青島港を北方国際海上輸送センターとして整備を進めている。
  4. 国際海運航路は日本の仕向港への定期船が多く、船会社の一環輸送サービスも充実している。国際航空航路は日本からの直行便は大連と青島向けがある。
  5. 物流関連企業は、日系企業が大連市内に12社、青島市内に5社ある。
■今後の発展
  1. 中国重工業基地としての巻返しの見込み。
  2. 山東省の農業基地建設の促進。
  3. 立地のよい良港を通じたアジア市場への進出。

京津経済圏
■ハイテク関連企業の集積地
  1. 中国政府は、北京・中関村をR&D(研究開発)拠点として発展させるとともに、ハイテク企業の開発・誘致などに力を入れている。
  2. 天津もハイテク関連企業の集積地として急速に発展している。
  3. 人的資源面では、人件費が比較的高いものの中国トップレベルの知識人材が豊富で、人材の獲得競争も非常に厳しくなっている。
  4. 周辺地域は広い農村地帯で、一般労働力の供給源となっている。
■インフラ状況
  1. 2008年の北京オリンピックを控え、急速に整備が進んでおり、2005年を目標に全長630kmの高速道路建設や全7本150kmに及ぶ地下鉄建設、北京首都空港の拡張工事など大規模工事が行われている。
  2. 北京−天津間は京津溏高速道路で結ばれており、この周辺にハイテク関連企業が集積している。
  3. 物流関連企業は日系企業が北京市内に9社、天津市内に6社ある。
■今後の発展
  1. 北京郊外の通州区に建設中の光バレー(正式名称は光電子産業基地。一般的に光バレー(中国語では光谷)と呼ばれている。)が完成(2005年予定)すると、医療設備、レーザー技術、ロボット技術などの先端産業がさらに発展する。
  2. 北京中心部に150億元をかけて2008年完成をめどに「北京版ウォール街」の建設が進行中。内外千社以上の金融関係企業の誘致を目標としている。
  3. オリンピックに向け、オリンピック特需を見込んだサービス業の発展、オリンピック施設(北京市内・郊外に計37ヶ所)への投資の増加、都市再開発による住宅関連消費の拡大などが見込める。

長江デルタ経済圏
■流行、情報の発信基地、金融、商業の中心地
  1. 国家発展戦略の要として、上海浦東新区を中心に、多国籍企業や重点産業の外資導入に力を入れている。
  2. 製造・R&D(研究開発)・販売の3拠点としての機能を有し、金融・商業の中心地、流行・情報の発信基地としても発展している。
  3. 「火炬(たいまつ)計画」と呼ばれるハイテク産業育成計画の重点地域でもある。
  4. 人的資源面では海外留学経験者が多く、国際市場のルールを熟知し外国語に精通している高いスキルをもった人材が多いという特徴がある。
■インフラ状況
  1. 高速道路整備が進んでおり、上海を中心に200km圏内が1時間で結ばれ、空港も全4ヶ所と国内外との交通網が整備されている。
  2. 上海市が発表した軌道建設計画では、第十次五カ年計画の期間中に約1000億元を投資して、快速鉄道、地下鉄、軽軌道の3種類で結ぶ、総延長200km、10本の軌道交通を建設予定。
  3. 物流関連企業は日系企業が上海市内に24社、江蘇省に9社、浙江省に2社ある。
■今後の発展
  1. 国内最大の消費市場として小売、サービス業の分野での市場競争が激化する。
  2. とくに上海では外食消費の増加、ライフスタイル重視の消費がキーワードになる。
  3. 南京−無錫−蘇州ラインが「火炬計画」の重点地域として発展する。

西部経済圏
■西部大開発の中核
  1. 国家一大プロジェクトである西部大開発の中核となる地域。
  2. 重慶は自動車・オートバイなど重工業を、成都はハイテク関連産業を、西安はソフトウェア開発とそれぞれ機能を分担し合って発展しつつある。
  3. 人的資源面では農村地帯から低コストで労働力が調達できるとともに、大学や研究機関などからの知識人材の調達も可能。
■インフラ状況
  1. インフラ面はこの地域のネックとなっている部分だったが、西部大開発の重点プロジェクトとして、成渝高速道路(重慶〜成都間340km)が完成し、片道4時間でむすばる。
  2. 重慶〜四川省間、重慶〜西安間の高速道路が建設中。
  3. 物流関連企業は日系企業が重慶に1社、西安に1社ある。
■今後の発展
  1. 成都〜西安間、西安〜重慶間の高速道路開通で交通アクセスが向上。
  2. 小売・卸売業分野で誘致政策により、外資の進出が増加。
  3. 全国有数の観光地として、サービス業の発展に期待。

珠江デルタ経済圏
■国内最大の部品加工と委託加工の拠点
  1. 委託加工をメインとし、複写機、プリンター、デスクトップパソコン、光ピックアップ、マイクロモーターなどで世界の過半を生産しており、世界的な電子部品・電機組み立て産業集積地となっている。
  2. 香港に現地法人を設立して製造拠点を珠江デルタ地域に設立する、という分業システムが機能している。
  3. 人的資源面では、内陸部、とくに四川省や湖南省などから定期的に若年層の労働者を受け入れるシステムが構築されているため、優秀な低コスト労働力の調達が可能。
■インフラ状況
  1. 各都市の工業団地が高速道路網で結ばれているため、物流システムが整っている。
  2. 海外との輸出入は香港を通して行われることが多くなっている。
  3. 現在、珠海〜香港間に港珠海上大橋建設、珠海〜深セン間に海底トンネルが計画されている。
  4. 物流関連企業は日系企業が広州市内に2社、深セン市内に3社、珠海市内に1社ある。
■今後の発展
  1. 計画中の海底トンネル(深セン〜珠海間約30km)の完成により、香港から珠海まで30分という環境が整う。
  2. 中国現地企業の技術レベルアップに伴い、部品調達がさらに効率化する。
  3. 政府による汎珠江デルタ(広東省、福建省、江西省、湖南省、広西チワン族自治区、海南省、四川省、貴州省、雲南省と香港・澳門の両特別行政区を含む地域)支援により、経済発展がさらに進む。
■汎珠江デルタの発展戦略
  1. 国家発展改革委員会(発改委)が、現在編集作業中の「国民経済と社会発展の第11期5カ年計画(2006−2010年)」において、地域の経済発展戦略を明確にした。
  2. 港湾基礎施設の建設と安全確保などの管理、省をまたいだ大規模インフラ施設の建築、港や道路、鉄道など物流ルートの改善、電力やエネルギー、鉄鉱などの原材料の調達手配などを対象とする。
  3. 特に鉄道は「中長期鉄道網計画」と大陸と香港・マカオ間の経済貿易緊密化協定(CEPA)の計画に基づいた大規模なプロジェクトが計画されており、汎珠江デルタの主要9都市をわずか1時間で結ぶ高速鉄道網の建設を加速し、輸送能力の拡大と技術設備レベルの向上を目指す。
  4. 大陸と香港・マカオ間のCEPAで定められた関連分野、特にサービス貿易分野の提携を確実に進め、汎珠江デルタに統一され開放された高効率の市場運営機能を確立する方針。